はちライフ

高齢出産・初子育て・低収入。ドタバタ青春奮闘日記

マタニティライフ番外編〜FLが短い〜

妊婦健診で足が短い事を指摘されて、難病、障害児を育てる可能性があった時の個人の記録です。場合によっては気分を害されるかもしれないのでご了承の上でご覧ください。

 

25週目(7ヶ月)の妊婦健診はいつもよりエコーが長くて、何度も何かを測り直していました。「大腿骨が短い」と言っていて、その時は「足が短いか、旦那に似たか」くらいしか思わなかったのですが、その後にシリアスな内容を伝えられたのでした。

 

・一回だけだと判断しずらいから2週間後の健診でも様子を見るけど、FL(大腿骨)が極端に短い

・週数に応じた平均値があって、前後の許容範囲の誤差が全体の96%を占めているけど、胎児の大腿骨は3週遅れで、個性の域を超えてる(許容範囲はプラマイ2週)

・医者によるけど自分は少しでも気になる事があれば伝えている

・次も同じような成長曲線だと、別の病院や専門家を紹介させてもらう可能性がある

 

突然の事で驚きつつ若干血の気が引くのを感じつつも、取り乱さないよう平静を装いながら「次回も同じ成長曲線だった場合に、病名はつきますか?」と聞いたら、

・今は答えない方がいいけど、浮かんでるのは難病指定されてるもの

・いきなり病名を伝えるのでなく兆候を事前に伝えた方が心の準備ができるもの

 

次回は産婦人科部長に診察してもらう事になって、この日の診察は終了。

すぐに「FL 短い 難病」で検索して、浮かんできたのは「四肢短縮症」「軟骨無形成症」。後から思えば、「骨形成不全症」や「タナトフォリック骨異形成症」とかの可能性もあった。骨形成不全症は、米良美一さんも向き合われてる難病。タナトフォリック骨異形成症は、少し前まで生存が難しかったみたいで、産まれても人工呼吸器が必須だったり、長期間生きるのが難しいとか。

 

この時私は「軟骨無形成症の可能性が高いのかも」と思い込んでひたすら検索していました。この難病は、

・骨の成長にかかわる軟骨異常で先天性の病気

・低身長や四肢、指が短いことを特徴とする

・特徴的な顔立ちになる事もある

・2万人に1人の確率で出生

・平均身長は男性で130cm、女性で124cm

・脳の発達は正常で、知能障害等はない

 

高齢出産の為、12週に胎児ドックで染色体異常の検査を受けていたので、病気や障害のリスクは頭の中からほとんど無くなっていたので、予想外でした。

産まれてから判明する場合もあるし、検査していても何かある可能性はあると理解しています。けどやはり、偏見は持ちたくないと頭では思っていても、いざ自分の子がとなるとすんなりスムーズに受け入れるのは困難で。

特徴的な見た目になった場合、生涯で一体どれだけ理不尽な辛い事があるんだろうとか。知能障害はないから好奇な視線や心無い言葉も全て理解して受け入れるしかなく、悲しい事が蓄積されてしまうのではないか、など想像しました。高齢出産のせいかも、と思うと自分を責めずにはいられませんでした。

 

旦那は、とりあえず2週間後の結果を待とうという感じでした。どんな結果でも受け入れようと、ネガティブから抜け出せないワタシを励ましてくれました。冷静に事実を受け入れて前向きに寄り添ってくれる姿勢には救われました。一方100点満点に思える対応が逆に、今回の出来事をきちんと当事者として理解しているのか疑問に思えてきて、一回その事で不満をぶつけました。旦那の考えをこれまで一度も聞いてなかったのです。

「なんでそんなに受け入れが早いのか?不安じゃないのか?思考が前向き過ぎて自分事としての意識があるのか疑問がわく」と。そしたら、

「手足が短いだけでしょう。遠い知り合いに下半身麻痺の人がいて、いつも一生懸命で前向きでさ。すごいんだよその人」と。気丈に話し始めた。けど、途中で言葉が途切れて、そのあと堰を切ったように震えて涙を流し始めました。固く手を握り合って、2人で号泣しました。ひとしきり泣いたあとで、旦那も不安があった上で、励ましてくれたんだと思うと、ひとりで落ち込んでられないという気持ちになりました。我が子を守れるのはワタシたちしかいない。この時をきっかけに私も覚悟が決まって、どんな結果でも乗り越えようと思えるようになりました。

 

2週間後の健診までの期間はとても長く感じました。某アプリでマタニティライフを楽しんでいる方々の投稿は見れなくなったし、偶然この間に出産した友人に対しては必要以上の会話を避ける自分がいました。

でもこの間、色々調べていくうちにこの病気のホルモン療法が保険適用になってたり、骨の延長手術がある事も知りました。

軟骨無形成症の当事者や家族のYouTubeやブログを読み漁り、軟骨無形成症の方が主演・監督の映画を見てみたり(愛について語るときにイケダの語ること)、バリアフリーバラエティ(バリバラ)というTV番組を見て、様々なマイノリティを持たれる方の日常がどんな感じなのか知る事から始めたり。

そもそも軟骨無形成症は、産まれてからでないと正確には診断できなかったり、なんなら産まれて数年経ってから診断される事もあると知って、今の時点で必要以上に一喜一憂することはやめて、心構えだけしておこうと思えるようになりました。

 

2週間後。

この日は旦那に付き添ってもらいました。こわい気持ちがないと言えば嘘だけど、受け入れる心構えはできていました。

結果は、平均より小さい事にはかわりないけど、大腿骨のサイズは許容範囲内になっていました。前回はエコーが大腿骨全体を映せてなかったんじゃないかと。今日の結果を見る限り心配する事ないと。

この結果を聞いて、そうか、と思いました。恥ずかしながら少しだけホッともしました。でも、この事を相談していた実母に「よかったね」と言われた時は少し複雑な気持ちでした。この2週間、自分の子が障害を持つ前提で心の準備をしていたから、障害がない=良いこと、と聞こえなくもない発言に違和感を感じたというか。そんな意味でないと分かってはいるけれども。実母は1番落ち込んでいた時のワタシを見ていて心から心配していて、待ち受ける未知の苦労をひとまず回避できたことに安堵して発した言葉と思います。むしろ社会的弱者に対して大変理解のある人で、今回難病の可能性が高まっていたら必ず全力で支えてくれる人です。

とにかく、そうした結果でした。

 

今回の出来事には色々考えさせられました。我が子は今時点では難病でない可能性が高まりましたが、産まれてから別の何かが発覚するかもしれないし、それは先天性かもしれないし後天性かもしれない。

分かりやすく病名があるものもあれば、ボーダーラインが明確でなくグラデーションになってる場合もある。というかグレーの人は世の中に多いと思う。自分もウィークポイントが多くて、突き詰めれば何かあるかもしれない。

障害、と言うと分かりやすいけど、感覚的には個性と言った方が今やしっくりくるなぁ、と。実際に当事者になれば、綺麗事で済まない事が山ほどあると思うけれど。

今回、様々な気付きを与えてくれた我が子には感謝だなぁと。そして支えてくれた家族に感謝。

色んな個性で溢れているけど、受け入れられる自分でいたいし、家族にもこの価値観を共有していきたいなぁ。

我が子、すくすく育ってねm(__)m